騒音障害防止のためのガイドライン(全文)

労働省労働基準局通達 基発第546号より

騒音性難聴を予防するために かわい耳鼻咽喉科

1目的
 本ガイドラインは、労働安全衛生法令に基づく措置を含め騒音障害防止対策を講ずることにより、騒音作業に従事する労働者の騒音障害を防止することを目的とする。

2騒音作業
 本ガイドラインの対象とする騒音作業は、別表第1及び別表第2に掲げる作業場における業務をいう。

3事業者の責務
 別表第1及び別表第2に掲げる作業場を有する事業者(以下「事業者」という。)は、当該作業場について、本ガイドラインに基づき適切な措置を講ずることにより、騒音レベルの低減化等に努めるものとする。

4計画の届出
 事業者は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第88条の規定に基づく計画の届出を行う場合において、当該計画が別表第1又は別表第2に掲げる作業場に係るものであるときは、届書に騒音障害防止対策の概要を示す書面又は図面を添付すること。

5作業環境管理及び作業管理
(1)屋内作業場
  イ 作業環境測定
   (イ)事業者は、別表第1に掲げる屋内作業場及び別表第2に掲げる作業場のうち屋内作業場について、次の測定を行うこと。
@作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)第4条第1号及び第2号に定める方法による等価騒音レベルの測定(以下「A測定」という。)
A音源に近接する場所において作業が行われる単位作業場所にあっては、作業環境測定基準第4条第3号に定める方法による等価騒音レベルの測定(以下「B測定」という。)
   (ロ)測定は、6月以内ごとに1回、定期に行うこと。
ただし、施設、設備、作業工程又は作業方法を変更した場合は、その都度、測定すること。
   (ハ)測定は、作業が定常的に行われている時間帯に、1測定点について10分間以上継続して行うこと。
  ロ 作業環境測定結果の評価
    事業者は、単位作業場所ごとに、次の表により、作業環境測定結果の評価を行うこと。

  
B測定
85dB(A)未満85dB(A)以上〜
 90dB(A)未満
90dB(A)以上
A測定
平均値
85dB(A)未満第T管理区分第U管理区分第V管理区分
85dB(A)以上〜90dB(A)未満第U管理区分第U管理区分第V管理区分
90dB(A)以上第V管理区分第V管理区分第V管理区分
備考  1「A測定平均値」は、測定値を算術平均して求めること。
 2「A測定平均値」の算定には、80dB(A)未満の測定値は含めないこと。
 3 A測定のみを実施した場合は、表中のB測定の欄は85dB(A)未満の欄を用いて評価を行うこと。

  ハ 管理区分ごとの対策
    事業者は、作業環境測定結果の評価結果に基づき、管理区分ごとに、それぞれ、次の措置を講ずること。
(イ)第T管理区分の場合
第T管理区分に区分された場所については、当該場所における作業環境の継続的維持に努めること。
(ロ)第U管理区分の場合
@第U管理区分に区分された場所については、当該場所を標識によって明示する等の措置を講ずること。
A施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第T管理区分となるよう努めること。
B騒音作業に従事する労働者に対し、必要に応じ、防音保護具を使用させること。
(ハ)第V管理区分の場合
@第V管理区分に区分された場所については、当該場所を標識によって明示する等の措置を講ずること。
A施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他作業環境を改善するため必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第T管理区分又は第U管理区分となるようにすること。
 なお、作業環境を改善するための措置を講じたときは、その効果を確認するため、当該場所における等価騒音レベルを測定し、その結果の評価を行うこと。
B騒音作業に従事する労働者に防音保護具を使用させるとともに、防音保護具の使用について、作業中の労働者の見やすい場所に掲示すること。
  ニ 測定結果等の記録
    事業者は、作業環境測定を実施し、測定結果の評価を行ったときは、その都度、次の事項を記録して、これを3年間保存すること。
     @ 測定日時
     A 測定方法
     B 測定箇所
     C 測定条件
     D 測定結果
     E 評価日時
     F 評価箇所
     G 評価結果
     H 測定及び評価を実施した者の氏名
     I 測定及び評価の結果に基づいて改善措置を講じたときは、当該措置の概要
(2)屋内作業場所以外の作業場
  イ 測定
  
(イ)事業者は、別表第2に掲げる作業場のうち屋内作業場以外の作業場については、音源に近接する場所において作業が行われている時間のうち、騒音レベルが最も大きくなると思われる時間に、当該作業が行われる位置において等価騒音レベルの測定を行うこと。
(ロ)測定は、施設、設備、作業工程又は作業方法を変更した場合に、その都度行うこと。
  ロ 測定結果に基づく措置
   事業者は、測定結果に基づき次の措置を講ずること。
(イ)85dB(A)以上90dB(A)未満の場合
騒音作業に従事する労働者に対し、必要に応じ、防音保護具を使用させること。
(ロ)90dB(A)以上の場合
騒音作業に従事する労働者に防音保護具を使用させるとともに、防音保護具の使用について、作業中の労働者の見やすい場所に掲示すること。
6健康管理
(1)健康診断
  イ 雇入時等健康診断
    事業者は、騒音作業に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際に、次の項目について、医師による健康診断を行うこと。
  @ 既往歴の調査
  A 業務歴の調査
  B 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  C オージオメータによる250, 500, 1000, 2000, 4000, 8000ヘルツにおける聴力の検査
  D その他医師が必要と認める検査
  ロ 定期健康診断
    事業者は、騒音作業に常時従事する労働者に対し、6月以内ごとに1回、定期に、次の項目について、医師による健康診断を行うこと。
  @ 既往歴の調査
  A 業務歴の調査
  B 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  C オージオメータによる1000ヘルツ及び4000ヘルツにおける選別聴力検査
   事業者は、上記の健康診断の結果、医師が必要と認める者については、次の項目について、医師による健康診断を行うこと。
  @ オージオメータによる250, 500, 1000, 2000, 4000, 8000ヘルツにおける聴力の検査
  A その他医師が必要と認める検査
(2)健康診断結果に基づく事後措置
   事業者は、健康診断の結果に応じて、次に掲げる措置を講ずること。
   前駆期の症状が認められる者及び軽度の聴力低下が認められる者に対しては、屋内作業場にあっては第U管理区分に区分された場所及び屋内作業場以外の作業場にあっては等価騒音レベルで85dB(A)以上90dB(A)未満の作業場においても防音保護具の使用を励行させるほか、必要な措置を講ずること。
   中等度以上の聴力低下が認められ、聴力低下が進行するおそれがある者に対しては、防音保護具使用の励行のほか、騒音作業に従事する時間の短縮等必要な措置を講ずること。
(3)健康診断結果の記録と報告
   事業者は、雇入時等又は定期の健康診断を実施したときは、その結果を記録し、5年間保存すること。
   また、定期健康診断については、実施後遅滞なく、その結果を所轄労働基準監督署長に報告すること。

7労働衛生教育
 事業者は、常時騒音作業に労働者を従事させようとするときは、当該労働者に対し、次の科目について労働衛生教育を行うこと。
  @ 騒音の人体に及ぼす影響
  A 適正な作業環境の確保と維持管理
  B 防音保護具の使用の方法
  C 改善事例及び関係法令

別表第1
(1)鋲打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行う屋内作業場
(2)ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務(液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行う屋内作業場
(3)動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造又は成型の業務を行う屋内作業場
(4)タンブラーによる金属製品の研磨又は砂落しの業務を行う屋内作業場
(5)動力によりチェーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行う屋内作業場
(6)ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行う屋内作業場
(7)チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場
(8)多筒抄紙機により紙をすく業務を行う屋内作業場

別表第2
(1)インパクトレンチ、ナットランナー、電動ドライバー等を行い、ボルト、ナット等の締め付け、取り外しの業務を行う作業場
(2)ショットブラストにより金属の研磨の業務を行う作業場
(3)携帯用研削盤、ベルトグラインダー、チッピングハンマー等を用いて金属の表面の研削又は研磨の業務を行う作業場
(4)動力プレス(油圧プレス及びプレスブレーキを除く。)により、鋼板の曲げ、絞り、せん断等の業務を行う作業場
(5)シャーにより、鋼板を連続的に切断する業務を行う作業場
(6)動力により鋼線を切断し、くぎ、ボルト等の連続的な製造の業務を行う作業場
(7)金属を溶融し、鋳鉄製品、合金製品等の成型の業務を行う作業場
(8)高圧酸素ガスにより、鋼材の溶断の業務を行う作業場
(9)鋼材、金属製品等のロール搬送等の業務を行う作業場
(10)乾燥したガラス原料を振動フィーダーで搬送する業務を行う作業場
(11)鋼管をスキッド上で検査する業務を行う作業場
(12)動力巻取機により、鋼板、線材を巻き取る業務を行う作業場
(13)ハンマーを用いて金属の打撃又は成型の業務を行う作業場
(14)圧縮空気を用いて溶融金属を吹き付ける業務を行う作業場
(15)ガスバーナーにより金属表面のキズを取る業務を行う作業場
(16)丸のこ盤を用いて金属を切断する業務を行う作業場
(17)内燃機関の製造工場又は修理工場で、内燃機関の試運転の業務を行う作業場
(18)動力により駆動する回転砥石を用いて、のこ歯を目立てする業務を行う作業場
(19)衝撃式造形機を用いて砂型を造形する業務を行う作業場
(20)コンクリートパネル等を製造する工程において、テーブルバイブレータにより締め固めの業務を行う作業場
(21)振動式型ばらし機を用いて砂型より鋳物を取り出す業務を行う作業場
(22)動力によりガスケットをはく離する業務を行う作業場
(23)びん、ブリキ缶等の製造、充てん、冷却、ラベル表示、洗浄等の業務を行う作業場
(24)射出成型機を用いてプラスチックの押出し、切断の業務を行う作業場
(25)プラスチック原料等を動力により混合する業務を行う作業場
(26)みそ製造工程において動力機械により大豆の選別の業務を行う作業場
(27)ロール機を用いてゴムを練る業務を行う作業場
(28)ゴムホースを製造する工程において、ホース内の内糸を編上機により編み上げる業務を行う作業場
(29)織機を用いてガラス繊維等原糸を織布する業務を行う作業場
(30)ダブルツイスター等高速回転の機械を用いて、ねん糸又は加工糸の製造の業務を行う作業場
(31)カップ成型機により、紙カップを成型する業務を行う作業場
(32)モノタイプ、キャスター等を用いて、活字の鋳造の業務を行う作業場
(33)コルゲータマシンによりダンボール製造の業務を行う作業場
(34)動力により、原紙、ダンボール紙等の連続的な折り曲げ又は切断の業務を行う作業場
(35)高速輪転機により印刷の業務を行う作業場
(36)高圧水により鋼管の検査の業務を行う作業場
(37)高圧リムーバを用いてICパッケージのバリ取りの業務を行う作業場
(38)圧縮空気を吹き付けることにより、物の選別、取出し、はく離、乾燥等の業務を行う作業場
(39)乾燥設備を使用する業務を行う作業場
(40)電気炉、ボイラー又はエアコンプレッサーの運転の業務を行う作業場
(41)ディーゼルエンジンにより発電の業務を行う作業場
(42)多数の機械を集中して使用することにより製造、加工又は搬送の業務を行う作業場
(43)岩石又は鉱物を動力により破砕し、又は粉砕する業務を行う作業場
(44)振動式スクリーンを用いて、土石をふるい分ける業務を行う作業場
(45)裁断機により石材を裁断する業務を行う作業場
(46)車両系建設機械を用いて掘削又は積込みの業務を行う坑内の作業場
(47)さく岩機、コーキングハンマ、スケーリングハンマ、コンクリートブレーカ等圧縮空気により駆動される手持動力工具を取り扱う業務を行う作業場
(48)コンクリートカッタを用いて道路舗装のアスファルト等を切断する業務を行う作業場
(49)チェーンソー又は刈払機を用いて立木の伐採、草木の刈払い等の業務を行う作業場
(50)丸のこ盤、帯のこ盤等木材加工用機械を用いて木材を切断する業務を行う作業場
(51)水圧バーカー又はヘッドバーカーにより、木材を削皮する業務を行う作業場
(52)空港の駐機場所において、航空機への指示誘導、給油、荷物の積込み等の業務を行う作業場


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